ちよ文庫

詩、掌の小説

2020-06-01から1日間の記事一覧

「砂」

朝目覚めると小鳥が鳴いているような 真白いホットミルクのぬくもりのような カーテンを開けると射す陽の光のような ふとんにくるまり微睡む昼時のような そんなささやかな幸福に私はなりたい あなたを希うことはなくていい 親しき友になれずともいい 愛され…

「テントテンデセン」

幼なじみは心配症だ。 勉強は昔からできたし、友達も多くて女の子から好意を持たれることも何度かあった。 就職の時だって第1志望に受かってて一緒に泣いたし、会社でもやっぱり人から好かれるらしい。 ただひとつ彼の下手くそなところがあるなら、持ち前の…