ちよ文庫

詩、掌の小説

「私自身のリアル」

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ポエトリーリーディング「27才のリアル」(狐火)をオマージュした、これは私の詩。





「私自身のリアル」


「話してて21歳とはとても思えない。」
特に何も思わなかった。もう言われ慣れてた。 皆の中の私はやたら大きくて""強い""人間だった。
自分に誇りを持って、汚点を呑み込んで、「私は
かっこいい」を言い聞かせて。
そんな自分を好きになるよう努力して。このまま美しい存在として生き抜こうと決めてた。
どれだけの罪を背負おうと、どれだけ自他を傷つけようと、私自身を守れればそれが最上だって念じつづけたんだ。
そんな時言われた「人間臭さが1周してまるで人外みたい」。その通りじゃん。
実際、傷付いても自分に「大丈夫?」って聞くと笑って「大丈夫。」って答えられて、それでいいはずなのに妙に悲しくなっちゃうんだよな。そう願ってきたのに。
強い自分でいたいんじゃなかったのか?いたいに決まってただろ。
なりたい自分はもう有るのに、おまえは何迷ってんだよ?
「弱さ」がほしい。誰かに「助けて!」って悲鳴をあげて泣き喚ける「弱さ」がほしい。
「弱さ」がほしい。けれど、傷を負ってなお立ち上がり倒れられない現状。
立ち止まりたい。少しだけ休みたい。歩むことをやめたい。永遠でもかまわない。もはや美しくなくていい。ただ静かに眠りたい。
他の誰でもない、私自身のリアル。




P.S.本家も聴いてくれ
https://youtu.be/tmJBGEFXOvU